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山男と雪庇の話
マッキンリーで起きた雪崩事故。邦人遭難のニュースを聞き、まず―あの植村直己さんのことよりも―真っ先に思い出したのがエヴェレスト登山隊の悲劇を検証したノンフィクション小説「空へ」(ジョン・クラカワー著)でした。たまたま同じ作者の作品「荒野へ」を原作とする映画「イントゥ・ザ・ワイルド」を直前にDVDで見ていたせいかもしれません。

ところで私が高校1年生の頃、隣の席に座っていたクラスメイトが山岳部員でした。山男とアダ名されていた彼の口癖は「おい、雪山ってのは怖いんだぞ」。雪庇(せっぴ)がいかに危険か、授業の合間にヘタな図を描きながら丁寧に説明してくれたものです。そればかりでなく、滑落したときの対処法まで執拗に叩き込まれた記憶があります。

そんな訳で、私は彼のおかげで「雪山は怖い」「雪庇に乗るな」「滑落したら加速する前に止まらないと危ない」ということを肝に銘じることができました。ちなみに当時の私は下手くそなギター小僧。現在もどちらかと言えばインドア派。これまではもちろん、これから先も雪山に登ることはなさそうですけれども…。

人伝に聞いた話によると、解説好きのあの山男は画家としての才能を開花させ、定期的に個展を開いているとのこと
。願わくば、今もあの手抜きとしか思えない雪庇の絵を描きつつ、その危険性を熱心に説いていて欲しいものです。